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ゲームクリエイターの生と死

【荒んだアーティスト、デザイナー、クリエイターのためのガイドブック】 悲しい表現が含まれています。

Devil's Third【に学ぶ】

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この一年何してたんだっけ?と振り返ると自然と頭に浮かんでくるワード。

デビルズサード

当該タイトルであるデビルズサード WiiU版のリリースは昨夏。 気が付けば一年はゆうに経過していました。

そして「この半年って何してたんだっけ?」と振り返ると、ゲームの製作も実現可能な仕様への落とし込みなどの補助作業に費やすばかりで、ブログの更新まで止まってしまっていました。
デビサーが発表からリリースまでに5年の年月を費やしたことを思うと半年なんて軽いものだなとは思いますが、この半年は空虚な半年間だったわけではなくて、、いろいろと複雑な半年間でありました。

複雑と空虚とどちらがよいのかと考えて、これはまた複雑だなと遠い目をしてしまったりしますが。

まずは本題に戻りまして。

忙しかったのか、それとものんびりしてたのかも曖昧なこの一年。曖昧な状況を作り出していた張本人である自分が注目していた事柄は、このタイトルの成否であります。

Devil’s Third(デビルズ サード)は、業界の重鎮であるTecmoテクモ)が擁する筆頭チーム『 Team Ninja(代表作:Ninja Gaidenシリーズ、Dead or Aliveシリーズ)』のディレクター格であるクリエイター、板垣伴信氏が独立して起こした『Vallhara game studios(ヴァルハラゲームスタジオ)』が立ち上げようとし、かねてよりアナウンスされていた新規タイトルでありました。

このタイトルの立ち上げプロモーションは、今は亡き海外大手パブリッシャー『THQ』※の資本もあり、バブルを彷彿させるといっても過言でないような異様なほど華やかなものでした。

※巨額を突っ込んで巨額を回収するカリフォルニアスタイルの元玩具会社、大手。2010年にWii用お絵かきボード『uDraw GameTablet』を6歳~12歳向けに売り出して大成功。後、欲張ってXBOX360PS3に展開し140万台の在庫に埋もれて死亡。結果、デビルズサード含めた開発中タイトルを放逐。少なくとも2013年まではサポートするという売り出し文句だったuDraw GameTabletがTHQ自体を2012年末に破綻させるという伝説を残す。
『u』とか『tablet』とかいうネーミングがWiiUに影響を与えたのかは定かではありませんが、不吉な感じがするのは気のせいでしょうか。


さて。

元々、古巣のテクモと裁判沙汰になるなど話題に事欠かなかった板垣氏。

氏はXBOX初代機ロンチ、後継機のXBOX360ロンチ、、そしてPS2ロンチ時において輝かしい功績を残している、、のだけれど、、立ち位置が一般寄りでない為に肝心の認知度はそれほど高くなく、マニア評だけが突出するという形のクリエイター代表でもあります。

また(とはいえ?)氏はマニアすらも投げ出すようなクリエイター対プレイヤーのガチガチな構図を構築することに心血を注いでおられ、落伍者が出ることが前提の尖ったスタイル※であるため、、マニアにすら敬遠されてしまうといった不幸を招いております。

※お客であるプレイヤーをおもてなしする気のない明確な敵意を持った敵キャラ。リゾート地でラブラブするゲーム(DOAX2エロバレー)の場合ですら完全攻略に年単位の月日を要する等、枚挙に暇がない。

Play Station2は17年前の3月4日、、2000年にリリースされたハードです。

今やDVDすら過去の規格として人々は眺めているだろう昨今。時代の流れというものは恐ろしいものだね、、あの頃は国産ソフトがよく売れた時代だったね、、とまた遠い目をしながら思いますが、閑話休題

昨夏リリースされたデビサーは昨今の時勢を鑑みても記録的に売れませんでした。

それもその筈、普及に失敗したハードの代表格である『WiiU専売』であり、さらに、その内訳も通販サイトamazonとダウンロードの専売。

店頭リリースは、無し。

冷静に考えて、売れるほうがおかしい、そんな状況です。

なぜこんなけったいなリリース形態なの?と疑問に思われること請け合いなそのタイトル、、販売元は任天堂だったりもします。

全国に販売網を持つ任天堂が、敢えて通販とDLのみに絞った理由というのが任天堂から語られることは今後も一切ないと思われるわけですが、、

わけですが、、

真相は残念ながら闇の中でありながら、当事者である板垣氏の口からはポロポロとヒントらしきものがこぼれ落ちてきていたりもします。

そんなわけで推測はできます。

揉めたんでしょうね。。

板垣氏は自身のスタンスをオープンにしていくことに抵抗がないため、守秘義務に触れない範囲であれやこれやとネットに書き記してくれるのですが、聴けば聴くほどに聴き手が困惑するようなアウトラインギリギリの、、、正統とは言い難い、、とはいえ無計画ともまた違う、、いうなれば自爆型の炎上プロモーション?とも言える活動を自覚的か無自覚的かわからない感じで繰り広げておられ、その様はまさに戦場のゲリラそのもの。

任天堂からのプロモ援助的なものは限りなく0に近く、それしか選択肢がなかったというのが実情なのかもしれませんが、、発売元に徹底無視されてしまう異常さやその他の異様さが噂のように伝搬していく様は、ある種別次元の例にないプロモでした※。

※別次元の具体例:理由も告げられないまま主役が耳なし芳一風の刺青の入ったグラサン無毛マッチョに変更される。メディアにプロモ用ディスクをばら撒いたら悪魔の糞(デビルズタード)というアダ名をつけられる。操作性が悪いのはWiiUのスティックの感度が悪いからと製作者自ら2ちゃんねるに書き込む。元同僚による怪文書がネットに放流される。購入者とのオフ会の写真を『無断撮影禁止』と宣った本人が無修正でアップロード、とか。


『戦場のリアル』がテーマのデビルズサードはスパイも破壊活動も何でもありのオンラインがメインで、排他行動で領地を占領することが目的です。

つまるところ、他ユーザーを排除したほうが勝ちです。

つまるところ、「こんなゲームやってらんねー!」という状態に追い込まれて投げ出した方が負けです。

システムには敵(相手)を煽るための機能(ビラ撒き)が組み込まれ、開発サイド自らが火の粉を撒こうとしていることは明らかで、ユーザーも呼応するように荒らしを開始し、、荒らしが有利なシステムということもあったせいで、荒らしが荒らしを呼ぶという悪夢のような循環が生まれました。
「、、争え、、もっと争え、、」と地獄の底から声が聞こえてきそうですが、爆撃の画面エフェクトなどがプレイに支障が出るレベルの激しさで、敵の追尾も困難な嫌がらせレベルであったことを鑑みると、もしかしたらゲームで競って欲しくなかったのかもしれません。

、、そんなこんなで主戦場は煽り合いの本場である2ちゃんねるになり、2ちゃんが公式SNSとして認定もされるというとんでもない状況になりました。

結果、ゲームも2ちゃんの掲示板も荒れに荒れ、悪意まみれの荒野になりました。

ついには発売から10ヶ月にしてサーバーが閉じられることがアナウンスされました。

制作費は発売3年前時点で35億円。国内スタッフ100名、ハリウッド含めた海外スタッフ700名。

アニメ漫画小説映画とメディアミックス予定だったコンテンツの第一波は瞬く間に引き潮。

突然の玉音放送に、諸行無常の響きってこんな感じ?と思わされました。

、、戦場のリアルは嘘ではありませんでした。


さて。

予定では400~500万本の販売を見込んでいたデビルズサード

先行して販売されたヨーロッパで3000本とカウントされ、3.5/10とのスコアをつけた海外ゲームサイトIGNは2015年のクソゲーオブザイヤーかも?という発言とともに、以下のように宣いました。

Devil’s Thirdシニシズムの実践であり、実はゲームが嫌いな人間によって作られたビデオゲームのように見える』

、、ゲームとは体験であるから、当該タイトルがシニシズム冷笑主義)的であったかという判断は各プレイヤーに任せるとして、『ゲームが嫌いな人間によって作られた』というレビュー(というか批判ですね)は私にはとても興味深いものでした。

私はゲームを人一倍愛していますが、ゲームとの関わり方の部分で少しだけ人と違いがあります。
一般に「ゲーム好きな人間」というのは「ゲームをプレイするのが好きな人間」を指すと思います。
しかし、私はあまりゲームをやりません。

ゲームを子供のように思っているからでしょうか。
過干渉の親と子供がいるとして、そこにはきっと愛情がありますが、私の場合は放任主義自然主義ということなのかもしれません。
あるがままを受け入れ、眺めることを愛情だと思っている節があります。

とはいえ、状況を眺めるだけのユーザーが増えても、そのゲームは商業的には成功しません。
デビルズサードもそうでした。

決して話題にならなかったわけではないこの作品。結果、冷笑の対象として注目されていた気がします。

任天堂とのコラボ(マリオクラブでのテスト等)を経てリリースされたこのタイトルですが、発売直前には「Devil’s Third Online、PCで発売!」とアナウンスされてもいました。

そしてそのオンライン、、オンゲーとしてリリースされたデビルズサードオンラインは、WiiU版よりも遥かに短命。9ヶ月でのサービス終了となりました。 サービス提供元であったネクソンにはこれといった非がない状況なので、終了の要因分析をするまでもありません。

オープンベータテスト開始時にサーバーがまともに動いておらず、記念の生放送が謝罪会場になってしまったこと。
その謝罪すらも意外性があまりなく、大した話題にならなかったこと。

この時点でもう運命は決まっていたのかもしれません。
PC版はWiiU版で唯一評価された独自要素(相手が手間暇かけて作った要塞を破壊して領土占領していく大規模戦)もスポイルされていましたし、操作がマウスになったことで賛否のあった独自要素(近接戦)もスポイルされていました。 もし、悪意が善意を駆逐していく戦場のリアルがスポイルされていたら未来は変わったのでしょうか。

(そんな未来はないからサービス終了なわけですが)

サービス終了まで9ヶ月と書きましたが、、ユーザーの中ではもうとっくの昔に終わっていたんですね。


戦場に向かう人は死にたくて戦場に向かうのでしょうか。
殺したくて戦場に向かうのでしょうか。

普通の感性ならば、戦いは目的のための行為となるはずで、目的とは「正義の達成」であることが殆どでしょう。
きっとこれが一番重要な『戦場のリアル』だと私は思うんです。

履き違えてしまったから、誰も幸せにならず、関わった人、全てが大損。
いや、全てではないかもしれませんね。

他人の持ち物や気持ちをぶっ壊して「楽しい」と思う、そういう感性の人の正義は達成されたのかもしれません。

THQ任天堂も、WiiUもVallharaも、楽しく余暇を過ごしたいと思ったゲーマーも、、いろんな人が履き違えて失敗=思い通りではなかった未来を手にしてしまいました)

普通の感覚を忘れてしまうことは恐ろしいことです。本当に。


結論。スーパーマーケットの雇われ店長が独立したからといって、イオンモールとかアリオとかゆめタウンをいきなり作ろうとしてはいけない。

(と書いてるこの文章自体が2016年10月からの半年の成果で、私もいろいろ見誤ったり履き違えたりしているなと思うし、、もう既に誤字チェックする気力も時間もないです、、)

デビルズサードオンライン公式? @DTO_nexon

『Devil’s Third Online』は本日11時にサービスを終了いたしました。
これまでご愛顧頂いた皆様、誠にありがとうございました。
サービス終了に伴い、本twitterアカウントも本日中にクローズさせて頂くことになります。

サービス終了にあたりメッセージを頂きました皆さま、ありがとうございます。
個別にお返事ができなくて申し訳ございませんが、温かいメッセージばかりでとても嬉しく思います。

『温かいメッセージ』を私も送りたかったのですが、即アカウント消したみたいで送り先がもうないのでここに書いておきます。

「楽しい」ゲームを作ってくださってありがとうございました。

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